QGISを使ってオリジナル世界地図を作ってみる
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オリジナルの地図を使うときに便利なQGISを使って、今回はオリジナルの世界地図を作ってみましょう。
目次
QGIS とは?
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QGISとは、オープンソースで無償利用可能なGISソフトウェア(電子地図に情報を組み合わせて自由に編集できるソフトウェア)です。他の有料ソフトに劣らない高性能な操作性を備えていて、2023年10月現在も開発は活発に行われています。
この記事では世界地図を作成していきますが、日本地図や地区町村のご当地マップなどを作成したり、地図上に統計を表示したりするときにも重宝するツールです。
QGISのインストール
- QGISの公式サイト(qgis.org/ja/site/)にアクセスします。
- スクロールすると、「ダウンロードする」というボタンがありますので、クリックします。
- 使用しているOSと対応したダウンロードボタン「QGIS をダウンロード」をクリックします。
- しばらく待つとダウンロードが終了します。
- ダウンロードしたファイルをダブルクリックで開いて、画面の指示に従ってインストールしてください。
※この記事ではWindowsでの画面で紹介しますが、他のOSでも操作は同様です。
QGISに世界地図を表示する
地形データのダウンロード
今回は、世界の地形データを無償で提供しているNaturalEarth(www.naturalearthdata.com)からダウンロードしてます。
サイトを開くと、「Large」「Medium」「Small」の3つの種類のデータがあります。
これはそれぞれデータの精度になっていて、Largeにいくほど細かい地形データが内蔵されていますが、データ量が大きくなります。
今回は細かい精度は必要ありませんので、Mediumを使いましょう。
Mediumの画像下にある「Cultural」をクリックします。
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「Download all 50m cultural themes」をクリックしてダウンロードします。
そのあと、先ほどのページに戻り、「Physical」をクリックして同様に「Download all 50m physical themes」からダウンロードします。

ダウンロードが完了したら、2つのファイルとも展開しておきましょう。
QGISの起動
先ほどインストールしたQGISソフトを起動してください。
画面上部の「レイヤ」から、「レイヤを追加」→「ベクタレイヤを追加」をクリックしてください。

ベクタデータセットに、先ほどダウンロードし展開した「50m_cultural」から「ne_50m_admin_0_countries.shp」を指定します。入力欄右端にある「・・・」を押してファイルを選択してください。
選択できたら右下の「追加(A)」ボタンをクリックしてください。
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その後、ベクタデータセットを「50m_physical」内にある「ne_50m_wgs84_bounding_box.shp」のパスに変更し、同じように「追加(A)」をクリックします。
後ろのウィンドウが色で塗りつぶされたことを確認したら、「閉じる」を押してください。
表示される色はランダムのため下の画像とは違う可能性があります。
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このままでは地図が下に隠れてしまっているため、地図の表示を一番前にしましょう。
画面左下の「レイヤ」の一番上にある「ne_50m_wgs84_bounding_box」をドラッグして下にしましょう。
すると、このように地図が表示されました。
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まずは、色を実際の地図のように「緑と青」に変えてみましょう。
先ほど操作した画面左下の「レイヤ」にある「ne_50m_wgs84_bounding_box」をダブルクリックします。
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「色」と書かれている右横にある細長いバーをクリックして、青に変更してみましょう。
変更したら右下の「OK」を押してウィンドウを閉じてください。

海の色が変わりました!
次は「ne_50m_admin_0_countries」をダブルクリックして、大陸の色を変えてみましょう。
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緑色にしてみると、一気に世界地図に近づきました!
国ごとに色分けをする
現在すべての国が同じ色になっていますが、すべての国に色を割り当てることも可能です。
まず、画面左下の「レイヤ」から「ne_50m_admin_0_countries」をダブルクリックしてください。

ウィンドウ上部の「単一定義(single)」となっているところをクリックし、「カテゴリ値による定義(categorized)」に変更します。
そしてその下にある「値(Value)」に「NAME_JA」と入力してください。
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画面左下にある「分類」をクリックすると各国に色が割り当てられたのを確認できます。
「OK」で閉じると、カラフルになった世界地図を確認できます。
(色の割り当てはランダムです。先ほどのウィンドウから、国の色を一つ一つ変更していくことも可能です。)
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国名を表示する
では、次に国名を表示してみましょう。
まず、画面左下の「レイヤ」から「ne_50m_admin_0_countries」をダブルクリックします。
右側のメニューより「ラベル」をクリックしてください。
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そして、画面上部の「なし」と選択されている部分をクリックし、「単一定義(single)」に変更します。

値(Value)をNAME_JAに変更し、ウィンドウ下部の「OK」ボタンで閉じます。
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すると、このように地図の上に国名を表示することができました。
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このままでは少し見にくいので、文字色を見やすくしてみましょう。
「レイヤ」から「ne_50m_admin_0_countries」をダブルクリックします。
「色」の横にある黒色のバーをクリックして、文字色を白色に変更します。
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次に、左のメニューから「影」を選択し、上部の「影を描画」にチェックを入れます。
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このように文字の表示を変更することができました!

地図を画像として出力する
完成した地図を画像として出力したい場合は、画面上の「プロジェクト」から「インポートとエクスポート」「地図を画像にエクスポート」をクリックしてください。
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解像度を高くしたい(地図を鮮明にしたい)場合は、解像度をより高い値(200dpi)に引き上げるか、出力サイズを変更してください。
右下の「保存」ボタンで画像を保存してください。
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もし画像をイラストレーター等を使ってさらに編集したい場合は、PDFにすることもできます。
同じように「プロジェクト」→「インポートとエクスポート」→「地図をPDFにエクスポート」からPDFを生成できます。
参考
次のサイトを参考にさせていだきました。